税理士によるベンチャー法人向けのサポートとは?

この記事の要旨

公認会計士で実際にベンチャー企業のバックオフィス業務を統括経験があり、ベンチャー事業関係者のネットワークを持つ友人へのヒアリングに基づいて、大きく以下の2点についてコメントしていきます。

  • 税理士が事業の創業期・成長期の相談役として適している理由と具体的な税理士によるサポートの内容
  • どんな税理士をベンチャーのサポート役に選ぶべきか

ベンチャー法人向けのサポート役は税理士にお任せ!

ベンチャー企業、スタートアップとして法人を設立された方は、これから事業を展開し、拡大を図られるものと思います。これからが勝負ですので、まずはプロダクト開発や営業、マーケティングに全てのリソースを投入されるのが一般的ではないかと思います。

しかし、どんな事業でも法人を設立すると、法人としてやらなければならないことが法律では色々と決まっています。この辺りをベンチャー法人の経営者が一人でこなすのは大変ですし、上記のようにプロダクト開発やトップライン施策に打ち込みたい中で、それ以外のことに時間を奪われるのはストレスだと思います。また、誰かを雇うにしても、立ち上げ間もない頃の限られた資金の中で、事務管理に一人雇うのも勇気がいりますし、どんなスペックの人を雇えば良いのか?そもそも業務範囲ってなにがあるの?って考え始めるとキリが無いと思います。

そこで本日は、そんなサポートを必要とする創業期・成長期法人の経営者や役員の方々向けの解決策のご提案です。

実際にベンチャー法人の経営者や役員の方と話していて、サポートを求められているのは、ざっくり言えば「管理」全般です。管理全般を全て受け止めてくれるプロフェッショナルがいたら、大変力強いサポートになると思いませんか?それがまさしく、創業時からおつきあいさせていただく税理士、だと考えています。

なぜ税理士をオススメするのかというと、ベンチャー・スタートアップ法人の管理業務の中心が、事業計画をはじめとする数字に関することや、補助金、そして資金調達など、必ず会計や決算、税金が絡んでくる分野だからです。当然、労務に関することや免許の取得など法律に関することも管理業務としてはありますが、数字やそれに関係する諸制度に明るい税理士であれば、創業・成長期の良い相談相手になれると思いますし、場合によっては他の専門家などとの連携して問題解決に当たれる場面も多いと思います。その意味で、管理業務を税理士への丸投げするというのは有効な選択肢になるのではないでしょうか?創業・成長期に税理士に支払う顧問報酬は、まず間違いなく事務管理に一人雇うよりも少額ですし、ビジネスや財務・経理関係に相当の知見を有している専門家をいわゆるスポットCFOに近い存在として確保できれば、心強い相談相手になると思います。

税理士と言っても十人十色ですが、MYN税理士事務所は特に創業・成長期の企業の皆様にとって身近で頼れるパートナーになりたいと考えています。

税理士がベンチャー法人向けに提供するサポートの具体的な内容は?

では具体的に税理士がベンチャー法人向けに提供するサポートにはどのようなものがあるでしょうか?主に以下のようなものがあります。

  • 記帳、決算業務
  • 税務申告、税務調査の立会い
  • 資金調達や補助金など、お金に関するサポート(事業計画作成サポートなど)

まず、記帳・決算業務はベンチャー法人で最初に直面する管理業務ですが、これはどんなに小さい法人でも求められるものですので、必ず実施しなければなりません。

続いて、その決算書に基づいて行う税務申告業務です。これは将来税務調査が入ることも踏まえて、法令等や実務に関する専門的な知識に基づいて対応する必要があります。

そして、ベンチャー法人の経営者が気になる分野でいくと、資金調達や補助金のサポート。この辺りはプロダクト開発やマーケティングなど、事業に必要な資金に直結してくるものですが、金融機関とのコミュニケーションや事業計画の策定を求められたりするので、数字的な知識と経験が求められてきます。

そして、これらの業務を全てベンチャー法人の経営者が一人で行うのは、不可能とは言いませんが、ベンチャー法人の経営者は時間を「事業」の成長に使いたいはずですし、立ち上げ当初に売上に直結しない管理の部分に時間を割きたくないというのが本音であることが多いと思います。そのため、こうした管理業務の専門家である税理士にサポートを依頼することで、コスパ良くに管理業務を委託できるというわけです。

さらに税理士によっては、下記のようなところまでカバーできるので、規模が大きくなった時にも効率的に組織を運営することができます。

  • バックオフィス業務/管理業務のIT化(≒固定費の抑制)
  • 各士業との連携

ベンチャー法人向けサポート役としてどのような税理士を選ぶべきか?

では、ベンチャー法人が管理業務を依頼するにあたって、どのような税理士を選ぶべきなのでしょうか?それは、下記のような経験・姿勢がある税理士が、ベンチャー法人にとってコミュニケーションが取りやすく、ビジネスに集中できるのではないかと考えております。

  • 事業の経営(コンサルティング)経験があり、税務以外にも幅広い経営に関する知識や経験がある
  • ITツールなどに明るく、コミュニケーションが取りやすく、効率的な管理業務サービスを提供している
  • 財務/ファイナンスに強い(金融機関や投資家とベンチャー法人の双方を理解している)
  • 税理士自身にも新しいことにもチャレンジしようとする姿勢がある

まず1番目は、税理士自身に事業の経営に関する知見があれば、ベンチャー法人の経営者が細かいことを言わなくても、税理士側で先回りして色々と考えながら相談に応えるので、コミュニケーションが楽になります。(もっとも、税理士事務所の運営も経営ですが、拡大を目指される場合には組織の運営・力学等についても理解がある税理士がベター、という意味です)

続いて2番目は、ITを活用していないと、手作業によるやりとりが税理士との間で多く発生してしまうため、管理業務を委託した効果が限られてしまうという意味です。また、将来的に組織の規模が大きくなった時に、最初からIT化されていないと、無駄な手作業が多く残るバックオフィス/管理組織が出来上がってしまい、後からこれを改善するのはかなりの労力・コスト・時間を投入することになります。

3番目については、特に事業計画や決算実績について、金融機関や投資家との議論になることが多いと思いますが、このあたりの両者の利害をしっかりと理解し、ベンチャー法人の経営者の説明をサポートできる力があるか、というところです。

そして4番目はやや暑苦しい精神論の部分もありますが、やはり税理士自身が従来型の事務だけに徹すること無く、成長を目指される経営者の方と同じ目線で仕事に取り組んでいた方が、双方にとって意義のある時間を共有できるはず、という意味です。

MYN税理士事務所は、大企業向けの税務業務のほか、経営コンサルティングの経験がある税理士が企業の管理業務をサポートします。未熟な部分もあるかもしれませんが、ベンチャー法人の経営者の皆様に事業に全力で集中してもらうことをサポートのコンセプトとしておりますので、顧問税理士・管理業務丸投げをご希望の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください(もちろん初回相談料は無料です)。

税理士へのサポート依頼にあたってのNG事項

ここでは税理士を選ぶ際の、やってはいけないことや考え方についてコメントしていきます。

一つ目は、「値段が安いから」、という理由で選ぶことです。もちろん、安いにこしたことはありませんが、プロフェッショナルにも得意分野や経験値にバラツキがあります。一方、管理業務は効率的にコミュニケーションをとり、正確に素早く業務を完遂することがポイントです。このように考えると、単に安いからという理由で選んでしまうと、結果的にコミュニケーションが多くなって本業に集中できなくなってしまったり、コミュニケーションミスで、書類に不備が発生するなど、結果的にコストが高くなってしまう可能性があります。

続いて、「知り合いから紹介を受けたから」、という理由で選ぶことです。「このビジネス儲かるから、やってみれば?」と知り合いに勧めらたからといって、すぐにそのビジネスにとびつくでしょうか?実際にはまずは自分でしっかり検討したうえでどうするか決めると思います。それと同じで、税理士というのは基本的に中長期的に付き合うビジネスパートナーになりますので、コミュニケーションの取りやすさなど含めて、ご自身で良い人を選択することが重要ではないかと思います。

まとめ:ご自身の考えや事業にマッチした税理士を選ぼう!

今回は、ベンチャー法人の経営者が効率的にビジネスができるように、管理業務を税理士に丸投げしよう、というテーマでコメントして参りました。税理士の選択がまだの方は、ぜひ色々な税理士の方と話をしてみて、自分の経営スタイルや考え方に合い、かつ本業に集中させてくれそうな税理士を選ばれるようにしてみてください。

この記事を書いた人

Nori

現在38歳、代表税理士です!飲食、アート、マンガ好き。
「COTEN RADIO」がマイブーム。コテンクルー!
太りやすいので週末は鬼コーチの息子に師事、週末歩数は13,000歩越(jog別)もしばしばです笑